無農薬・有機野菜と聞くと、
農薬を使用せずに育てた
安全な野菜を思い浮かべるのではないでしょうか?
似たような栽培方法はいくつかありますが、
実際には混同されていることが多いようです。
ここでは、それぞれがどう違うのか探ってみたいと思います。
無農薬栽培とは?
無農薬栽培は、
栽培期間中に全く農薬を使用しない栽培方法を指します。
しかし、現実には土壌に農薬が残っていたり、
周囲で農薬が使われればその成分が付着することもあります。
これに対して厳格な基準があるわけでもなく、
消費者が誤解を招く可能性があるため、
現在は「無農薬」と表示して農産物を売ることが禁止されています。
有機栽培とは?
有機栽培は化学的に合成された肥料及び農薬を使わず、
遺伝子組換え技術を利用しないことを基本とした、
環境にやさしい栽培方法です。
「有機農産物」として認められるには、
化学肥料や農薬を使用せず、
2年以上経過した健康な土でなければならず、
国で定められた「有機JAS規格」を満たさなければいけません。
その生産過程には多くのルールがあり、
それを守っていることが認められて初めて
「有機農産物」と呼べるようになります。
自然栽培とは?
自然栽培は、耕さず、除草せず、肥料を与えず、
農薬を使用せずに作物を栽培する方法です。
実践している人によって違いがあり、
明確な定義があるわけではありません。
自然の中には虫もいれば雑草も生えており、
そのような中で農薬や肥料を使わず、
自然が本来持っている力を最大限に生かす自然栽培は、
80年以上前から行われている歴史のある農法です。
無肥料栽培とは?
自然栽培のなかでも無肥料栽培というものがありますが、
実践している生産者はごくわずかです。
肥料使わないということは、
化学肥料であれ、有機肥料であれ、
それらを畑に入れない、作物に与えないということです。
一般的には、肥料をなくせば収穫量が落ちるので、
自然栽培と言えど、受け入れられるのは困難です。
しかし、森の木々が自然の生態系の中で循環しながら丈夫に育っているように、
作物も本来土が持っている力を発揮できるようになれば、
施肥が必要なくなるそうです。
また肥料は虫食いの原因にもなります。
おいしいから虫に食べられる、
虫も食べないような野菜は危険だ、
と思われがちですが、
丈夫な作物には虫がつきにくく、
弱った作物にこそ虫が付くのだとも言われます。
そこで、その土地に適応している固定種や在来種を
自家採種し、栽培していくことが
自然栽培には最適となります。
まとめ
上記の栽培方法はどれもものすごく手間がかかるため、
一般的な栽培方法の作物に比べて高価になります。
自分で作る方が安いとも言われますが、決してそんなことはありません。
安全の基準を満たしていることが条件であれば、
農薬を適量に使用している量販品も
悪くないのかもしれません。